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さちの物語、脚本仕上がり大詰め

2023.06.06 (火)

新作「さちの物語~貧乏神と福の神とさちの物語」の脚本書き直しが、いよいよ大詰めとなってきました。

昨年9月に脚本を仕上げていた新作の稽古ですが、4月中旬に稽古がストップしてしまいました。
理由は、主として脚本の甘さにあります。

何を書きたいのか?
格差と貧困の告発か?
それとも、それを題材にしながら別の何かなのか?
そんな脚本の詰めが甘いまま稽古に突入していたため、稽古が進むに従って頓挫してしまうのも、当たり前と言えば当たり前のことですね。

それから一ヶ月半。

ミーティングをしては脚本書き直しの作業が続きました。
書き手としては、私たちが置かれている一切の制約を無視して書き進めました。
(もちろん、今回の上演班2名という制約だけは守りましたが)。

それ以上の制約を考えていては、脚本の自己規制となってしまい、ロクな脚本に仕上がらないという判断の共有の下、思いきって書き進めてきたわけです。

そうして。

出来上がりつつあるのは、傷みを背負った人間の回復とは?ということに、光をあてた(焦点を絞った)作品です。
傷みは言葉にならないものです。
哀しみ、憤激、怒り。
そのような感情に言葉を的確にあてはめることは難しい。

そして言葉を持った時、言葉を発することの出来る場を得た時、人は傷みから回復していく…。

脚本のネタは以前と同じ。
しかし、全く違った脚本になりました。

回復とは?
それはどういうこと?

延々と続いたミーティングを経て、言葉に強さのある脚本に仕上がりそうです。

表現とは、自己の内側にあるものと、自己を取り巻く世界との接点に生まれるものです。
それは書くいう表現でも同じことです。
自己と世界の接点に生まれた緊張こそが、ドラマの核であり、いのちなのだと思います。

詩的な表現となってしまいましたが、創造のこんなことを書こうとすると、このような方向での文章でしか表せないことが多くあります。
どうか御容赦を。

「さちの物語~貧乏神と福の神とさちの物語」は、12月に名古屋ひまわりホールで初演予定です。
久留米では、3月に石橋文化会館小ホールにてお披露目となる予定です。

【釜】






2023年度通常理事会・総会、終了しました

2023.05.29 (月)

昨日は2023年度通常理事会・総会の日でした。
ご参加いただきましたみなさま、お疲れ様でした。
みなさまのご発言のおかげで、充実した理事会・総会となりました。ありがとうございました。

劇列車が注力を注ぐ、困難を抱える子どもへの文化支援事業「パペットシアターPROJECT」。
2023年度は3団体の実施ですが、文化支援を必要としている子どもや大人たちはもっと多い。だから、もっとたくさんの方々と協働できるように、劇列車の体制を整えていきたい。

そして、パペットシアターPROJECTで上演する作品は、当事者の子どもと大人が、観終わった後に“自分の物語”を描けるようなそんな作品を創りたい。

作品創りを支えるのは、“イマ”を生きる子どもをどうみるか。その子どもに必要な“育ち”の在り方とは。育ちを支える大人に求められる姿勢とは。
「演劇と教育研究委員会」で話し合われ、気づき合ったことが、作品創りに活きています。

こんな想いを持って策定した2023年度事業計画。
理事会・総会の場でみなさまからご発言をいただき、「あぁ、今年度もみなさまに支えられて本格始動していくんだなぁ…」と感慨深く思いました。
実働している事務局として、みなさまに支えられていると感じられることがどれほど嬉しいことか…この場を借りて、改めて会員の皆様に御礼申し上げます。

作品創りは、3歩進んで2歩下がる―という状況。なかなか一気に進まない苦しさはありますが、前述したように事業のひとつひとつが作品創りに反映されています。
また、確かな作品創りが、ひとつひとつの事業をしっかりと支える柱にもなっています。

さあ、今年度も文化を必要としているすべての子どもと大人たちに出会うために。
総会での事業承認を終え、本格的なスタートです!

【尚】






パペットシアターPROJECT報告集完成!

2023.05.11 (木)

そろそろパペットシアターPROJECT2022年度活動報告集も、コアサポーター会員の皆様のお手元に届いている頃と思います。
熟読していただければ幸いです。
舞台アート工房・劇列車が、何に挑戦しようとしているのか、この事業がどんな効果をもたらしているのか、その全体像を分かりやすく提示したつもりです。

さて、一昨日は本事業助成と伴走支援をいただいたちくご川コミュニティ財団様に、この報告集をお届けにあがりました。
報告集の完成にとても喜んでいただき、こちらも一安心しました。

人に喜んでいただけることで、困難が予想される本事業拡大と発展への努力に、一層弾みがつきます。

私たちは、困難を抱えるこどもへの文化支援の必要を各所へ訴えてきました。
やはりその意義を我が事としてとらえてくださる方々は少なく、どうしてもへこみがちになったりします。
ですから、我が事として喜んでいただいただいたちくご川コミュニティ財団の皆様には、心から感謝申し上げたい気持ちで一杯となります。
2023年度にはパペットシアターへの助成が、WAM(独立行政法人福祉医療機構)の未来応援ネットワークへと代わりますが、今後ともよろしく、お願い申し上げます。

さて、パペットシアター報告の集い(仮称)を8月下旬に開催します。
どなたでも参加できます。
詳細は、6月にお知らせします。皆様のお越しをお待ちしています。

【釜】






理事会と総会へお越しください

2023.05.09 (火)

理事会と総会議案書を、コアサポーター会員の皆様に郵送いたしました。

コアサポーター会員の皆様、5月28日日曜日の理事会と総会に御参加くださいますよう、お願い申し上げます。

舞台アート工房・劇列車は、現在パペットシアターPROJECT(困難を抱えるこどもへの人形劇観劇体験支援事業)を、中核事業と位置づけて、その拡大と発展を図っています。

その理由は、経済格差の深刻化と過度の競争社会化が、様々な歪みを生み、こどもと大人の二極分解と社会の分断を生み出しているからです。

その解決は一筋縄でいくものではありませんが、文化というものが大変有効な手段であることが、今までのパペットシアター実践において実証されてきているからです。
ですから、パペットシアター事業を拡大発展させていくだけのNPO組織強化も必要となってきています。

コアサポーター会員の皆様、是非理事会及び総会にお越しくださり、御意見をお聞かせください。

また議案書とともに、パペットシアターPROJECT2022年度の活動報告集も同封しております。
お読みくださり、この事業への御理解を深められることを願っております。

約一ヶ月間の旧年度事業の振り返りと新年度事業構想づくりの期間も終わりました。
といいますか、周囲からの様々のお問い合わせもいただくようになっており、引きこもり?期間も否応なしに終わりです。

新作創造のためには、落ち着いた一定期間がいるのですが、そうも言ってはおられない時期に入ったようです。
ブログ読者の皆様への情報発信も、今後増えてまいりますので、お読みいただきますようお願い申し上げます。

【釜】






演劇と教育研究委員会第5回開催

2023.04.30 (日)

皆様、お元気でお過ごしでしょうか。

4月は事業報告と事業計画、決算と予算作成と審議、パペットシアターPROJECT報告集作成、NPO組織強化に着手するなど、多方面に忙殺されていました。
久しぶりのブログ更新ですね。

昨日は、2023年度最初の「演劇と教育研究委員会」を開催しました。
第5回目の例会でした。

子どもの権利条約と子どもの権利についてのフリートークと、劇列車ワークショップ「親子であそぶ人形劇がっこう」について、当団体ワークショップリーダー弥永からの実践報告。
以上の二本立てです。

子どもの権利を、権利実現の進捗状況から見ると、日本政府の子どもの権利条約批准以来、20年以上経ってもほとんど前進がみられません。
むしろ、コロナ禍の中で児童虐待増加がみられたように、悪化してきたといえるのではないでしょうか?
フリートークも暗いものになります。

一方で、「親子であそぶ人形劇がっこう」の実践は、親子の創造的あそびを保障する実践です。

親子の創造的あそびの中で、子どもが見守ってもらえること、子どもがかまってもらえること。
大人が子どもを再発見すること。

親子であそぶ人形劇がっこうは、じつはそのようなことを起こすための場なのではないか?

そんなことが話し合われた会となりました。

見守られることとは、安心して保護される状態をつくりだすことですよね。
かまってもらえることは、ふれあいの時間をつくりだすこと。
子どもの再発見とは、子どもののびのびとした発達保障の土台づくり。

そう考えると、親子であそぶ人形劇がっこうは、子どもの権利保障につながっていく場でもあるようです。
研究会の場では、こんな観点が提示されたと思います。

これは大変大切な観点だと思います。

権利を保障するために、なにも権利という言葉を使う必要はないのです。
子どもをみるまなざし、子どもとの関わりをみるまなざし、そのまなざしを変えていくこと。
子どもは「発達する権利をもつ主体」というまなざしへと、自分のまなざしを変えていくこと。

そうすれば、子どもの権利保障進捗とは、何か特別のことではないことが、はっきり見えてくる。そう思いました。
自分を、日々ちょっと変化させる。
その変化から、子どもを人権主体としていく実践ははじまっているのです。

そんな気づきが生み出された研究会第5回でした。
参加された皆様、ありがとうございました。
第6回例会は、6月25日(日)13時半から予定しています。
場所はまだ未定です。

ブログをお読みの皆様も、よかったら御参加ください。
刺激的でゆたかな学びあいを、共にしていきませんか?

【釜】






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