NPO劇列車の作品紹介

―― 宮沢賢治『どんぐりと山猫』より ――
宮沢賢治の有名な童話「どんぐりと山猫」は、100年前に書かれて今も精彩を失わない童話です。
でも、一郎くんが現代に生きる学校に行けない少年だったら、どうなるのだろう?この不思議な童話は、いったい何を言いたいのだろう?そんな疑問から創り上げた人形演劇が「一郎くんのリスタート」です。
ですから、本作品は「どんぐりと山猫」童話そのものの人形劇ではありません。物語は、童話が終わったところからスタートします。一郎はどんぐり裁判判決のやり直しに出かけますが、どんなやり直しをするのでしょうか?そんな物語が「一郎くんのリスタート」です。
どうぞ、お愉しみいただければ幸いです。
【P新人賞2022受賞作品】
アンケート(抜粋) |
・いちろうくんが出口を見つけれてよかったです。おもしろかったです。(こども) |
・一郎のもやもやした気もちがなくなり、すっきりと新しい一郎の旅立ちを感じる事ができました。なんでも一番を、人の役に立つ、何かの役に立たない人間はダメだと誰もが決めつける現代社会、皆、大人は思いやりをもって接するように子どもたちへ教育していても現実はそうではない格差社会、本当に考えさせられる劇でした。(大人) |
・いちろうが おおぜいのプレッシャーの中ではんだんできてたのが「すごいな」と思いました。あと、さいごに なんか じぶんたちも出口を考えるのが べんきょうになりました。(こども) |
・今の世の中を生きる子どもたちは、昔よりずっと競争や比較といった場面にさらされる機会が多い中、そもそも、一番を決める、だれかと比べるという考えは違うんじゃないかなと考えさせられた。本来、一番ではなく、自分の成長は過去の自分と比べるということが大事だと思うし、一郎くんの出口は他人との比較からの解放ということだったのかなーと。これは、子をもつ親皆に、観てもらいたい作品!ひきこまれました!(大人) |
・一郎の判決がどうなるのか、どきどきした。(こども) |
・日頃から不登校の子どもたちと多く関わっています。原因を探し、「出口」を求める子どもと保護者に対して、「意味付け」することから一度離れて、「存在」そのものの尊さを味わうことが一緒にできる時間を育むことが大切なのかなと感じました。素敵な公演をありがとうございました。(大人) |
・はく力があって、とてもおもしろかったです。物語の結末が、ぼくたちにつながることになっていたので、見に来て良かったと思いました。(こども) |
・子どもも親も、無意識に「1番がいい」みたいな意識になってしまっているなと思わされ、日ごろの声かけなど考え直すきっかけになりました。家族でも話しあってみたいと思います。(大人) |
・どんぐりの顔が おもしろかったです。まるいどんぐりが かわいかったです。まるいどんぐりが ころがるところが おもしろかったです。またみたいです。(こども) |
・辞書で「一番」「優秀」を調べている一郎さんの姿は、現代社会のSNS依存をあらわしているように見えました。人の評価ばかりにまどわされすぎて、自分なりの価値観を持つ事が現代は難しくなってきているように感じました。子どもにはきちんと自分の価値観や答えを持てる、考えれる子に育ってほしいと感じました。(大人) |
・さいばんがおわって いちろうがどっかいったので いちろうのうんめいが きになりました。(こども) |
上演のために
■ 上演時間:約40分
■ 準備:3時間半〜4時間 ■ 片づけ:2時間(準備・片づけとも、会場条件で若干変動します)
■ 舞台:幅9b以上・舞台奥行き5b以上・天井高2.8b以上が必要です。
■ 会場:公民館などのホール・学校体育館などでの上演可。
■ 上演適正規模:子どもで200名〜250名以内。300名を超す場合は、分割して2ステージをお薦めします。
上演検討のために
■ 小学校3年生以上を中心にした作品ですが、小学校低学年の児童も楽しめます。