さちの物語で脚本賞受賞!

オリオン座が夜早くから夜空を飾るようになりました。

さて、P新人賞2022受賞記念公演「さちの物語」公演が近づいてまいりました。
12月17日(日)14時開演、場所は名古屋市損保ジャバンひまわりホールです(開場30分前)。
皆様、よかったらお越しください。また名古屋近隣在住の知人の方がいらっしゃいましたら、公演があることをお知らせいただきますと幸いです。

そして皆様に御報告です。
この作品(さちの物語)は、日本児童青少年演劇協会主催「児童青少年演劇のための劇作家養成講座」脚本賞(2023年度賞)をいただきました。

選考者はふじたあさや氏と森田勝也氏。
いただいたばかりの賞ですが、脚本賞受賞作でもって、P新人賞受賞記念公演に挑めることを、率直に慶びたいと思います。

さて「さちの物語」は、つい先日に公開通し稽古を終えました。
終えて思うことは、次のことです。
この作品はいわゆるエンターテインメント作品ではないということ。
この作品は、いつも現実と緊張関係をはらみながら創ってきた作品だということ。
あらためて、そう思った次第です

現実との緊張関係をはらみながら創ってきた作品ですから、怖くなる時もありました。
実際そういう瞬間を何度かくぐってきました。
しかし少なくとも、私たちはそこから逃げずに創ってきました。

なぜなら、どうしても創らざるを得なかった作品だからです。
この感覚はわかりずらいと思いますが、心に深く刻まれた傷からの回復のきっかけを描くことが出来なければ、困難を抱えた子どもたちの前に立てないと思い定めてきたのです。

繰り返して言いますが、私たちは劇団ではありません。
社会課題を文化的な側面から解決しようとするNPOです。
ですから、演劇を創るとか人形劇を創るとかは、目的ではありません。
あくまで社会課題解決のための手段にすぎないのです。
ですから、私たちの作品づくりの文脈は、いわゆる「劇団」のそれとはズレています。

その土台の上に立った「さちの物語」。
上述したように私たちを追い詰めてきました。
それがほんとうに苦しかったから、それがほんとうに楽しかったのでした。

最後になりますが、12月17日には、公演会場ひまわりホールに、ふじたあさや氏が脚本賞(2023年度賞)の賞状を渡すために駆けつけていただけるとのこと。
ふじた先生、わざわざありがとうございます。
厚く御礼申し上げます。
こんなに嬉しいことはありません。

そして名古屋の未知のお客様方、「さちの物語」は、もしかしたら、一風変わった作品に見えるかもしれません。
でもそれは奇をてらってそうなったわけではなく、私たちの創造の必然からそうなったと思っています。
どうか楽しんで御覧いただきますよう、お願い申し上げます。

またこの受賞記念公演を主催される「愛知人形劇センター」の皆様、ありがとうございます。
土曜日曜とお世話になります。
よろしくお願い申し上げます。

【釜】