昨日おとといの土日は、小学校3~6年生を対象にした人形劇ワークショップ。
参加してくれたみなさん、送迎や昼食の対応をしてくださった保護者の皆様、ありがとうございました。
『人形劇といえば、小さい子どものもの』。これは多くの国の、一般的な見解です。
日本も例外ではありません。
人形劇はとても奥が深い。
ウグイスの鳴き声に春を感じ、キンモクセイの香りに秋を感じ、スズメの鳴き声で朝だと判断する。
日本人は、時刻や季節を判断するために聴覚や嗅覚までも道具としてつかい想像力をはたらかせます。
社会に流通している記号表現を組み合わせて人形劇を創っていく。この魅力はもしかしたら日本人にとってとても馴染みの深い手法かもしれない、なんて考えてしまいます。
『社会に流通している記号表現を組み合わせて人形劇を創っていく』
ちょっと抽象的な言い方をしてしまいました。
たとえば、人間の形をした人形が2体並んでいます。
この二人の関係性をどう想像しますか?
次に、三角形と四角形を足してみます。
いかがでしょうか。この二人の関係性は、多くの人にとって『家族』に見えるのではないでしょうか。
単純な例を出しました。
「三角屋根の建物の中に2人の人間が居る」という記号の組み合わせは、社会に流通している概念として「そこに2人家族がいる」という表現になります。
(これは、私たち日本人の多くがそう見るということです。社会に流通している文化が異なれば、この表現は通用しません。)
…なんだか文章で伝えるのってむずかしいですね。書きながらそう思っています。
9歳以上の子どもたちは、前述した内容のことを踏まえて創る人形劇にとても興味を示します。個人差はありますが、8歳までの人形劇の楽しみ方から大きく飛躍していくのです。
文章で理解するのは少し難しく感じることでも、ワークショップの中で人形をつかいながら「やる」「みる」を繰り返すとあっという間に理解できます。
理解すると、おもしろくなる。難しいことがおもしろくなるから、挑戦したくなる。
小学3年生以上を対象にしたワークショップを終えて、改めてそのことを感じました。
2日間つづけて参加してくれたみなさんにとって、人形劇表現の奥深い魅力を感じる2日間になっていたら、とても嬉しく思います。
【尚】