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演劇と教育研究委員会に参加しませんか

藤の花も真っ盛り。新緑もまばゆくなりました。さて、劇列車のリニューアルしたHPはもう御覧いただけましたでしょうか?
弊団体事務局長弥永作成による労作といってよいリニューアルです。

劇列車の現在のリアルな姿が、出来るだけ誤解の少ないように、ダイレクトに伝わるように工夫をしてあります。
まだ御覧になっていない方は、この機会に御覧いただければ幸いです。

またFacebookでは、事務局長個人のものから、団体用のものを開設しました。
こちらも御活用いただければ幸いです。

さて今日は、4月28日(日)開催予定の演劇と教育研究委員会第10回例会のお知らせです。
HPのイベント欄にも載せていますので、詳しくはそちらを御覧下さい。

第10回例会。
今回は、弊団体のパペットシアターPROJECT(困難を抱えたこどもへの文化体験支援)について、その実際の展開と顕れている効果についての報告とフリートークです。

他にあまり例をみないパペットシアターPROJECTですから、その実際の姿や効果について、あまり知られていないように思います。

それもあたりまえです。
困難を抱えたこども・親子ほど、文化(アート)へのアクセスは少なくなる傾向にあるのですから。
だからそれに合わせるかのように、文化(アート)にアクセスしたとことから生まれる大きな効果が一般に知られることも少ないといえるのです。

演劇と教育研究委員会は、弊団体会員のみならず、非会員の皆様にも開かれた研究委員会です。
パペットシアターPROJECTと私たちの社会の現状について、意見交換してみませんか?
皆様の御参加をお待ちしています。

繰り返しになりますが、場所等の詳細はHPを御覧下さい

【釜】

新しくなった劇列車ホームページ!

本日、劇列車の新しいホームページを公開しました!

劇列車の現在が、見やすく分かりやすいホームページになっています。
私たちの団体が目指すビジョンや劇列車の取り組み紹介などが、わかりやすく充実した内容になっていますよ~(^^)
そして、スマホやタブレットからも見やすいデザインになっています。
ぜひご覧ください!

また、facebookも劇列車のページを作成しました。みなさま、こちらもぜひフォローお願いいたします!

リニューアルした劇列車のホームページへアクセス
facebook/新しく作られた劇列車のページへアクセス


※リニューアル前と同じホームページが表示される方は、ページの再読み込みもしくはブラウザのキャッシュをクリアしてご覧ください。

新作うしかたやまんば

きんぽうげ、野あざみ、しゃがの花も咲きました。
春満開ですねえ。

さてブログ更新がしばらく止まりました。
新年度の多忙の中で後回しになってしまい、申し訳ありません。

通常理事会総会準備、巡回公演広報準備、2024年度パペットシアター PROJECT始動準備、新作製作開始…。

なんだかたいへんそうに見えますよね。
実際たいへんなのです。羅列してみると、少しは皆様に伝わるでしょうか。

様々ことが、それぞれに重要なのです。
このスタート段階での仕込みの有り様が、2024年度に劇列車がどこまで走ることが出来るか、それを決めてしまいます。
その意味で、様々なことがそれぞれに重要なのです。

さて、今日は一つに絞ってみましょう。
新作「うしかたやまんば~里の婆が語るむかしばなし」についての、広報第一報。
それが今日のブログとなります。

「うしかたやまんば」。
この作品は、小学校1~2年生を中心においた久しぶりの低年齢向き人形劇作品になります。

子どもの発達段階からみて、どんな作品にしていくのか?
脚本段階で、そこにたいへん時間が割かれてきました。

一つ目の問い。
「いわゆる子ども向き作品としてしまえば、私たちの感じているものを手加減しようとすることにつながり、それは子どもをバカにしていることではないか?」。

二つ目の問い。
「子どもの発達段階を無視しての創造は、児童青少年演劇といえるのか?」

なかなか容易に一つになってくれないこの二つの問いの前に、何度も書き直しが進みました。
要約すれば、これは演劇観と子ども観の問題です。

この二つをどう統一するか?
これがなかなかに難しい。

優れた作品には、必ずと言っていいほど、この統一された土台がしっかりとあります。
表現の強度は土台づくりが支えるのです。
ですから、ここにも手抜きは出来ません。

そうして、脚本第6稿段階で、やっと稽古をスタートさせることが出来ました。
現段階では、脚本に沿いながら、空間とモノ(人形)の関係の土台づくりを進めています。

えっ…。
なんのこと言ってるの?

そう思われるかもしれません。

これは、「空間の中でモノが引き立つ位置を探っている」ということです。
例えると、部屋の中に飾る絵が引き立つ位置と、それほどでもない位置がある。
そんなことに気づいた経験をお持ちの皆様は、それなりにいらっしゃると思います。
その引き立つ位置を探っている段階と言えば、伝わりやすくなるでしょうか?
これはこれで、時間のかかる作業なのです。

どうにもピタッとくる位置と動きが見いだせない。

どうして?
あぁ、そうか。
ドラマの本質をとらえ損なっていた…。
このモノの動きと位置ではダメなんだ…。

そんなこともよく起きます。
このような試行錯誤には、知性と感性が総動員されますから、当然時間もかかるわけです。

最後にお知らせです。
この作品は、7月6日(土)に幼稚園関係の協会による大規模な祝賀行事の出し物として、久留米シティプラザ久留米座にて初演されます。

7月21日(日)には、石橋文化会館小ホール「おやこ人形劇場」にて一般公開されます。

皆様。
7月21日のおやこ人形劇場にて、その試行錯誤の結果を御覧いただければ、こんなに嬉しいことはありません。
(詳細は後日発表)

【釜】

頓田の森ぴーすきゃんどるナイトという集い

桜が咲きましたね。

さて、一昨日は劇列車が17年続けてきた頓田の森ぴーすきゃんどるナイトの日でした。
(現在は実行委員会方式の「頓田の森ぴーすきゃんどるの会」で開催)。

アジア太平洋戦争末期。戦争悲劇である頓田の森事件が起きた日に、悲劇の地頓田の森に集って、太鼓をたたき、歌を歌い、お話を聴く。
そして年に一度、79年前の悲劇で命を落とした子どもたちを想起する。

ただそれだけの集いが、ぴーすきゃんどるナイトです。
ただそれだけ。
声高に何かを主張しているわけでもありません。
凄いパフォーマンスが見られるわけでもありません。
ほんとうにシンプルな集いなのです。

私たち劇列車が言い出しっぺになってはじめたそんな集いが、17年も続いてきました。
それはそれで、よく続いてきたなぁと思います。

これはもはや、いい意味でのマンネリだと言ってもいいかもしれません。
年に一度集まり続ける意志の上にたった素敵なマンネリ。

そして昨年くらいから強く感じだしたことがあります。
それは、年に一度のこの場に流れる時間がとてもいい時間だというです。
年に一度、1945年3月27日の悲劇を想起する時間が、とても心地よいことです。

その場には事件を生き延びたサバイバーの方々がいます。
様々な人々がいます。

「お元気でしたか?」
「今日は晴れてよかったですね」

そんな何気ない会話が交わされ、それを桜の花が見下ろしています。
ずっと参加を続けできた方々だけでなく、新しい人々も参加しています。
それは3月27日の数時間だけ現出する幻のようにも思えます。
その時間が心地よいのです。

そこに積み重なった17年の時間の蓄積。
その蓄積も素敵なことです。

さて、戦争という名の暴力に対する一人ひとりの判断について書いて見たいと思います。
堅苦しい話しではありませんから、楽な気持ちでお読み下されば幸いです。

一人ひとりが自立して、戦争暴力に対する是非を判断出来るためには、身体に蓄積された記憶の存在が不可欠だと思っています。
記憶とは身体と強く繋がってあるのです。
あの時のにおい、あの時の恐怖というように、記憶は感覚機器としての身体と強く繋がっています。

戦争という巨大な暴力に対する一人の判断は、そこに土台を置かなければ、いとも簡単に激しい情報の流れに流されてしまいます。
いま、もっともらしくまことしやかな言葉が氾濫しすぎているように思えてなりません。

「東アジアの安全保障のためには…」
「沖縄は我慢してもらわんと…」
などなど。

でも、そんな言葉はどこから出た言葉でしょうか?
自分の言葉と錯覚してしまいがちですが、言葉の発生源まで掘ってみると、どこかで誰かが言っていた言葉であることが多いのではないでしょうか。

そんな言葉は、自分の記憶や感覚と切り離されていますから、身体性が欠落しています。
私は、そんな言葉の群れに危うさを感じます。

戦争記憶を想起する時間を原点にして平和を考えていかないと、

ちょっとヤバい。

のではないでしょうか。
79年前の悲劇の地に毎年咲いている桜。
その下での何気ない会話。

「お元気そうで…」
「はい、お陰さまで」
「桜が今年もきれいですねえ…」
「亡くなった子どもたちも、きっとよろこんでるでしょうねえ…」

そんな何気ない会話。
それとともに思い出される1945年3月27日の出来事。
それが記憶の想起です。

ぴーすきゃんどるナイトが育んできたそんな時間を、これからも大切にしていきたいと思います。
一昨日参加された皆様、ほんとうにありがとうございました。

さてブログをお読みの皆様。
これで2023年度の全事業を終了いたしました。
私たちは、ここで紹介してきましたように、それぞれの企画で、たくさんの「かけがえない、いい時間」を創ってきました。
てんてこまいしながらも、それは私たち上演班にとって幸せな時間でありました。

私たちの様々な企画に参加された皆様。
皆様にも同じことが起きていたら、こんなに嬉しいことはありません。
なぜなら、そのために企画を実行してきたのですから。

皆様、4月からの新年度もよろしくお願い申し上げます。

【釜】

9歳以上の人形劇の楽しみ方

昨日おとといの土日は、小学校3~6年生を対象にした人形劇ワークショップ。
参加してくれたみなさん、送迎や昼食の対応をしてくださった保護者の皆様、ありがとうございました。

『人形劇といえば、小さい子どものもの』。これは多くの国の、一般的な見解です。
日本も例外ではありません。

人形劇はとても奥が深い。

ウグイスの鳴き声に春を感じ、キンモクセイの香りに秋を感じ、スズメの鳴き声で朝だと判断する。
日本人は、時刻や季節を判断するために聴覚や嗅覚までも道具としてつかい想像力をはたらかせます。
社会に流通している記号表現を組み合わせて人形劇を創っていく。この魅力はもしかしたら日本人にとってとても馴染みの深い手法かもしれない、なんて考えてしまいます。

『社会に流通している記号表現を組み合わせて人形劇を創っていく』
ちょっと抽象的な言い方をしてしまいました。

たとえば、人間の形をした人形が2体並んでいます。

この二人の関係性をどう想像しますか?

次に、三角形と四角形を足してみます。

いかがでしょうか。この二人の関係性は、多くの人にとって『家族』に見えるのではないでしょうか。

単純な例を出しました。
「三角屋根の建物の中に2人の人間が居る」という記号の組み合わせは、社会に流通している概念として「そこに2人家族がいる」という表現になります。
(これは、私たち日本人の多くがそう見るということです。社会に流通している文化が異なれば、この表現は通用しません。)

…なんだか文章で伝えるのってむずかしいですね。書きながらそう思っています。

9歳以上の子どもたちは、前述した内容のことを踏まえて創る人形劇にとても興味を示します。個人差はありますが、8歳までの人形劇の楽しみ方から大きく飛躍していくのです。
文章で理解するのは少し難しく感じることでも、ワークショップの中で人形をつかいながら「やる」「みる」を繰り返すとあっという間に理解できます。
理解すると、おもしろくなる。難しいことがおもしろくなるから、挑戦したくなる。

小学3年生以上を対象にしたワークショップを終えて、改めてそのことを感じました。
2日間つづけて参加してくれたみなさんにとって、人形劇表現の奥深い魅力を感じる2日間になっていたら、とても嬉しく思います。

【尚】