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保育園公演終わりました

この冬一番の寒波到来。
しかし、冬至の頃とくらべて日没時間もだんだん延びています。
もうすぐ春ですね。

さて、昨日は厳しい寒波の中、久留米市内安武保育園で「ちょうふく山のやまんば」を上演しました。
午前中に上演を終了させるために、まだ真っ暗な中での機材搬入開始でしたが、園児の皆さんにも楽しんでもらえ、疲れも吹っ飛びました。

上演後に、年長さん年中さん全員に人形に触れてもらえる時間もとることが出来ました。
とても嬉しい時間でした。

園児の皆さんの給食のおすそ分けもいただき、おいしくいただきました。
おでんだったのですが、なんと!大根は園児の皆さんが育てたものだそうで、こちらもびっくり。
それほどに立派に育った大根だったのです。

今回の上演にあたりまして、保護者会のM様には大変お世話になりました。行き届いたお世話をいただき、まだ暗い中での駐車から機材搬入開始まで、戸惑うことなくスムーズに流すことが出来ました。
ありがとうございました。

また園長先生はじめ、保育士の先生方にも大変お世話になりました。
温かいおもてなしに、こちらも心がほっこりとしました。
ありがとうございました。

さて、次は2月8日のパペットシアターPROJECTです。
福岡市のフリースクールみんなの学び館様と連携しての取り組みとなります。
人形劇ワークショップから「一郎くんのリスタート」上演と対話のひろばまで。
気を引きしめて臨みます。

それが終わると2月12日の「親子であそぶ人形劇がっこうinちくしの」です。
まだまだ公演やワークショップのラッシュが続きます。

【釜】

ハンガリーの人形劇ミクロポディウム終了

昨日はハンガリーの人形劇ミクロポディウム公演でした。
世界の人形劇をくるめで!市民実行委員会主催で、無事盛況のうちに終わりました。

上演者のレナート・オンドラシュさん、くすのき燕さん、ありがとうございました。

ミクロポディウムの繊細な神秘的な舞台。
人形というモノの繊細な動きがつくりだす幻想的な舞台は、観客の皆様を日常とは違った世界へ誘いました。
人形の繊細な動きから、別宇宙をつくりだす超絶技巧に驚嘆しました。

またくすのき燕さんの三枚のお札は、人形劇のエッセンスが満載の魅力的な作品。
俳優劇と人形劇、その形態の違いを押さえたエンターテインメントな小品でした。
子どもたちを中心に観客を笑いの渦に巻き込みました。

そして、昨日はボランティアのスタッフとして表方で活躍していただいた実行委員会の皆さん、お疲れさまでした。
おかげさまで、表方に大きなトラブルもなく、お客様に喜んで帰っていただくことが出来ました。

またきめ細かい対応をしていただいた石橋文化センタースタッフの皆様、助成をいただいた福岡県教育文化奨学財団様、資金補助をいただいた久留米 連合文化会の皆様にも御礼申し上げます。

さて劇列車は、明日明後日と、来週火曜日の久留米市内Y保育園「ちょうふく山のやまんば」公演のために、仕上げ稽古に入ります。

それが終われば、福岡市ふくふくプラザでのパペットシアターPROJECT「一郎くんのリスタート」。
そして「親子であそぶ人形劇がっこうinちくしの」「こども人形劇がっこう~低学年編」「こども人形劇がっこう~高学年編」とワークショップの三連続。
さらに「P新人賞受賞記念久留米公演~さちの物語」へと続きます。

ただいま公演とイベントラッシュの渦中です。
体調に気を付けて、このラッシュを頑張って乗りきっていきます。

【釜】

『対話のひろば』が目指すもの

昨日はパペットシアターPROJECT。ボナペティ様と連携して「一郎くんのリスタート」観劇と対話のひろばを実施いたしました。
当日の運営をお手伝いくださったみなさま、ありがとうございました。
また、ご参加くださったみなさま、ありがとうございました。

「一郎くんのリスタート」は、宮沢賢治童話「どんぐりと山猫」から着想を得て創ったスピンオフ作品です。私たちの作品の主人公一郎は、学校に行っていない(学校に行けない)少年と設定しています。彼の感じている閉塞感・孤立感、そして“出口”を見つけたあとの心理的開放感を、この作品で描いてきました。

不登校を経験した当事者・家族は、大きく頷きながらこの作品を観ます。ある方は、一郎が出口を見つけたことに共感し「私も出口を探し続けたい」と。時には登場人物の両親に心を寄せて「最初のころはこうだったよね」と。

一方で、不登校当事者以外の方々の感想は、両極端に分かれる傾向にあります。「不登校は経験していないけれど、涙が出るほど一郎の苦しみがよく分かる。」という感想と、「どう観ていいか分からない。」という感想です。

このお話は、寓話です。たとえ話のスタイルを取っていますので、観客にとっての経験の引き出しと結び合わせて観る作品です。そのため、個々人の人生経験によって受け取り方が大きく変わります。

自分の感想は、自分だけの大切なものです。
ところが、観劇後のおしゃべり会「対話のひろば」の時間に、自分の感想と他者との感想を聞き合うことで、とたんに深みのある感想になっていくのです。

対話のひろばが終わると、ある方がこんな感想をおっしゃってくださいました。
「自分は“こういう話だろう”と理解して観ていたけれど、他の方は“ひっかかるポイント”が違っていて、それがおもしろかった。」

そうですよね。他者の感想を受けて再び自分の感想を思い返してみると、“なぜ自分はそう感じたのか”“どうして他者はそう感じたのか”と、劇を観た直後の感想よりさらに深い思考に入ることができます。
「対話のひろば」は、参加者同士のそのような化学反応をねらっています。
このような化学反応の場では、私たち上演班もいち参加者にしかすぎません。みなさんのご感想から、私たち自身も思考が深まっていきます。そこには、“一方的に発信する上演者”と“受け身の観客”という境界線なんて生まれるはずがありません。誰もが自分自身の思考の海に潜り込み、自己内対話を行いはじめるのです。

対話のひろばの時間は、“算数の時間”“体育の時間”のような「こうしなければならない時間」ではありません。参加したみなさんにとっての自己内対話のひとときとなることもあれば、参加したみなさんが苦しみを言語化するカミングアウトのひとときになることもあります。

一郎の苦しみに自分の人生で経験してきた苦しみが共鳴し、しゃべりたくなる。聞いていた別の方がその方の心の琴線に触れ、自分もしゃべりたくなるという連鎖が生まれることもあります。
言語化することは、とても大切なことです。他者に向かって発信するときに、「あぁ、自分が苦しんでいた事柄はこれか」と自分の中の苦しみが輪郭をもってはっきりと見えるようになるのです。私自身が、その経験をしてきました。

はっきりと輪郭が見えてくると、「ぼんやりと漫然とただひたすら苦しんでいる」心の状態から、「苦しんでいる理由が分かる」心の状態に移行します。
苦しいことには変わりないのですが、本人の心理状態には雲泥の差があるのです。

誰かの苦しみのカミングアウトに背中を押され、自分の苦しみもカミングアウトできる。それは、「これを発言しても大丈夫」と思える場が成立したときに生まれる結果です。強制されて話せるものではありません。

自分自身や家族が不登校経験者ではないと、“不登校”に含まれる具体的な問題は分からないかもしれません。でも、学校に行けなくて苦しんでいる子・家庭の苦しみには、自分の苦しみの経験をもって共鳴することができるのです。

ボナペティ様と連携して実施したパペットシアターPROJECTでは、ほんとうにたくさんの、多様な化学反応があちこちで起きていました。
参加されたみなさまにとって、「あぁ、参加してよかったなぁ」と思える時間となっていましたら、こんなに嬉しいことはありません。

最後に、今回の実施に当たり、フリースクール関係者や学校に行けてない子どもがいる家庭の方々など、あちこちに声を掛けてくださったボナペティ様。
催しの終了後もひっきりなしにボナペティ事務局長T様と話し込んである参加者の方々の様子を拝見しながら、食材支援を超えた“心の支援”の実際を目の当たりにさせていただきました。
ボナペティT様ならびにスタッフのみなさま、本当に、お疲れ様でした。

【尚】

不登校の子どもを支援するクラウドファンディング

本日は、クラウドファンディングの御紹介です。ちくご川コミュニティ財団様が、「子どもの多様な学びの場を保障するための基金」設立のクラウドファンディングを実施中です。
期間は1月いっぱいまで。300万円を目標にしてあります。
子どもの多様な学びの場を保障するための基金を立ち上げたい | 一般財団法人ちくご川コミュニティ財団 (congrant.com)
この基金は、不登校の子どもがフリースクールに登校するための奨学金として活用されます。不登校の子どもがフリースクールに通うための奨学金?
それってどういうこと?
そんな疑問を持たれる方も多いと思います。
いや、そんな疑問を持たれる方の方がまだまだ多い状況だと思います。

現在、全国で不登校の子どもたちが約30万人います。そして増加中です。
さて不登校になると、子どもは孤立します。
「子ども時代に友人関係が必須のものである」ことは、子どもの発達に御関心のある方々には容易に想像できることだと思います。
不登校になると、友人関係が途切れます。
現代日本では、子どもの友人関係がほとんど学校で育まれているのですから。

親にしても相談相手が見つからないと、社会的に孤立しがちとなります。

フリースクールは、不登校になって孤立を深めていく子どもと親の社会的なつながりを確保するために、また子どもの学びを保障するために、とても大切な場であるといえます。

しかし。

統計でみてみると、30万人の不登校の子どもの中で、フリースクールに通う子どもは、わずか8%。

なぜなら、フリースクールの平均月謝が3万円を越えているからです。
フリースクールの運営に奮闘してある方々は、様々な助成金を組み合わせながら、学びの場を維持してあります。
その御苦労は並大抵のものではありません。

フリースクールは公教育の外側に位置付けられています。
フリースクール運営者たちがどんなに奮闘努力しても、どうしても月謝が高額となり勝ちです。
つまりフリースクールに通学するためには、家庭の経済基盤が必要な状態であるのです。

では、30万人の不登校の子どもの8%が現在フリースクールに通っているとして、残り92%の子どもはどうしているのでしょう?

中には、各地方教育委員会が設けている適応支援学級(受入数が限られています)に通う子どももいるでしょう。
また再登校する子どももいるでしょう。

でもそれらにあてはまらない子どもたちは?
どうしているのでしょう?
彼らが、社会的つながりからも学びからも切り離され、孤立していることは容易に想像出来ます。

私たちは、弊団体がパペットシアターPROJECTを積み重ねた経験から、この「見えなくされている子ども」が膨大に存在していることに気づいていきました。
ここに社会の手が差しのべられていないことに、気がついてました。

不登校と家庭の経済問題は、密接に結びついています。
そもそも不登校と貧困の因果関係は、指摘され続けた問題です。

だからこそ「フリースクールに通うための奨学金」が必要なのです。
ちくご川コミュニティ財団様の今回クラウドファンディングは、じつにタイムリーです。
ほんとうに待たれていた企画なのです。

なかには、「教育行政がすべきことだ」とお考えの皆さんもいらっしゃることでしょう。
全くその通りです。
しかし、現在のところ教育行政にその動きはみられません。
だったら、フリースクールに通う奨学金設立のために、まず市民が立ち上がる。
それは理にかなった動きです。

まずは市民が奨学金を設立し、それを広げ、そして教育行政を動かしていくのです。
そのような市民の輪が広がり強くなることが、いま大切なことなのだと思います。

最後になります。

「フリースクールに通う奨学金を設立することで、不登校の子どもと親を支援する」。
このことの背景には、上述したように複雑なことがあります。
ですから、一言では市民の皆さんに伝わりにくい状態にあると思われます。

このクラウドファンディングを成功させるには、たくさんの力が必要です。
しかし、一言で相手に伝わりにくいこの取り組みは、「市民の理解が難しい」壁にぶつかることになります。

けれども。

このクラウドファンディングを成功させるために様々な取り組みをすること自体が、不登校の子どもをみんなで支えていこうという機運を高めます。

皆様。
どうかちくご川コミュニティ財団様のHPを覗いてみてください。
そして、ちくご川コミュニティ財団様のクラウドファンディングに御協力いただければ幸いです。

ちくご川コミュニティ財団様。
今回のクラウドファンディングの御成功をお祈り申し上げます。

【釜】

寄付つきチケットを始めます

新年、明けましておめでとうございます。

2023年を振り返ってみます。
昨年は、作品創造において「一郎くんのリスタート」と「さちの物語」にて、誰も否定出来ない結果を出しました。
野球に例えるならば、ヒット連打の1年でありました。
創造面での大きな飛躍をみた1年だったと思います。

2024年、劇列車はNPOとしての飛躍を計画しております。
今日は、3月17日定期公演コンセプトと新しい取り組みを皆様に紹介させていただきます。

3月17日第24回定期公演。
①それを「P新人賞受賞記念久留米公演」と位置付けます。
その場で、傷ついた心の回復のきっかけを描き出した「さちの物語~一番聞いてほしいことは、一番言いたくないこと」を上演いたします。
(これは皆様にお伝え済みですね)。

それに加えて、以下のことを公開いたします。

②久留米エリアで活動する「困難を抱え込まされた人々を支援するCSO」の方々にも集っていただける呼びかけを行う。そして、関心ある方々が集まるような上演会にする。
そんなコンセプトで臨みます。

もちろん「観てみたい」という皆様も大歓迎です。

そこで試みられる新しい取り組みについて、ご案内いたします。
③この公演から「寄付つきチケット」を新設いたします。

寄付つきチケットとは何なのでしょう?

大人チケットは、今回は1枚1800円で販売予定ですが、それに1200円分の寄付を付けたものが「寄付つきチケット」です。
寄付つき3000円のチケットとして、販売いたします。

寄付分にあたるのは1200円分。
御寄付は、弊団体「バペットシアターPROJECT(困難を抱えるこどもへの文化体験支援)」に使用させていただきます。

バペットシアターPROJECT遂行にあたって、その持続性を確保していくために自己財源確保努力が求められています。
それはあたりまえの努力義務です。
バペットシアターPROJECTに責任をもつこと、それと自己財源確保努力をすることは、表裏の関係にあるのですから。

現行のバペットシアターPROJECTは、WAM(独立行政法人福祉医療機構)から助成を受けて実行しておりますが、やはり自己財源確保努力が課題だと、つくづく痛感しております。

それでは、自己財源確保努力をどうやって行うか?

第一段は、2024年度から導入される「コアサポーター会員会費の値上げ」です(昨年5月通常総会で承認済み)。

コアサポーター会員制度は、旧来「会費を支払うと、その代価として御招待チケットを進呈する。その関係性によって劇団を支援する」制度でした。
つまり劇団制度に適した制度だったと言えます。

それを「困難を抱えた皆様をアートで支えるNPOを支援する」制度へと変更いたします。
つまり、劇団への支援制度からNPOへの支援制度へ。
「お金での支援に対して現物による見返り」ではなく、「お金での支援に対してこどものよろこびによる見返り」へ。
それに伴う会費値上げです。
現コアサポーター会員の皆様、何とぞ新制度移行後も御支援の継続をよろしくお願い申し上げます。

次の第二段が「寄付つきチケットの新設」になります。
もちろん、どれくらい寄付が集まるかわかりません。
しかし、もし集まる金額が少ないという結果になっても、落胆する必要は全くありません。
次のことが言えるからです。

バペットシアターPROJECT(困難を抱えたこどもたちへの文化体験支援)に対する寄付を市民に訴える。
それは市民の間にこの問題に対する関心を高め、共感の輪をひろげることになる。
そんな積み重ねが、次の段階で寄付拡大につながっていく。
そう思われます。
これは重大な変化につながる可能性を秘めています。

劇列車がやろうとしてきた「バペットシアターPROJECT」は、いつも理解されがたいものとして、行政に働きかけて無視されてきました。
けれど私たちは、全くめげませんでした。
私たちは、無理解に対する変化が必ず生まれると確信していました。
なぜなら、誰もが潜在的にその必要性に気づいているのだからと。

ですから、バペットシアターPROJECTの意義を見いだしていただく機運が訪れた時、この企画は羽ばたきはじめることが出来ました。
それが支援の具体的実践へとつながりました。

寄付制度の導入にしても然りだと思います。
即効効果がなくとも、この導入は確実に未来を開いていくものと確信しています。
それが更なる支援の充実という結果を招く。
そう考えています。

さて皆様。

1月は、昨年中に仕込んでおいた様々な新企画を軸に、ブログにて皆様に御紹介差し上げていきます。

はじまった2024年。これからの1年、「上演班をもつユニークなアート系NPO」舞台アート工房・劇列車に、皆様の御関心をお寄せくださるよう、お願い申し上げます。

【釜】