さちの物語

~一番聞いてほしいことは、一番言いたくないこと

“生きがたさ”から“深い自己肯定”へ

 主人公田中さちの家庭は困窮家庭。DVが吹き荒れ、さちの小学校時代はいじめで不登校。中学時代は仮面登校。中学3年生になったさちは、心を閉ざす。言いたいことは山のようにあるのに。そんなさちが、立ち上がるきっかけをつかむ物語です。
 「どうしてこの作品をつくったの」とよく質問されます。その答えは『上演者自身が生き難さを抱えた当事者だから』ということにあります。
 面前DVを受け続けてきた被虐待児・田中さち。そんなさちを描くことから、様々な理由から生き難さを抱えた人々にエールを送りたい。そんな意図をもった作品です。

《児童青少年演劇のための劇作家養成講座「脚本賞」受賞作品》

観劇後に『対話のひろば』や『アフタートーク』も可能です

 「さちの物語」は作品単体でも楽しめますが、以下のプログラムを組み合わせれば、さらに充実したひとときになります。

A.『対話のひろば』(上演時間+30分~60分)
 『対話のひろば』は、上演者と観劇者が対話することから鑑賞体験を深め、学びにつなげる時間です。上演者と観劇者あるいは観劇者相互が、上演後にその場で対話をします。出された発言から学びあいを深める時間になります。弊団体は、上演後に対話のひろばをあちこちで開催しています。学びが驚くほどに深まっていく事例をいくつもみてきました。
 対話のひろばのテーマは、基本的に劇の主題に関わるものから設定しています。事前に御担当者様とお打ち合わせのうえ、最も最適なテーマ設定をいたします。対話のひろばの時間設定は30分~60分の間で自由に設定できます。

B.『アフタートーク』(上演時間+約15分)
 『アフタートーク』は、作品にこめた作者の願いをトークすることから、鑑賞体験を深め学びにつなげる時間です。作品に込めた深い想いが、観劇者の鑑賞体験を深めます。

観劇後の感想(アンケートより抜粋)

● さちが先生のおかげでかくれていた本当の気持ち(つらい・だれにも言えない気持ち)に気付くことができたという物語で、本当にいい物語だと思いました!めっちゃ感動したし、心にひびいてきたものがありました…!たくさんの問題をかかえたさちが、自らその問題をかいけつし、お面をはずすことができたということ、めっちゃ感動です…!さちの行動力がすごいですね(ハート)〔子ども〕

● 「人形」を遣った劇は初めてで、どうなるのだろうかと思って刺激的でした。とにかく題材に関しては、なんといってよいかまだ分かりません。DVとは関係ないですが、自分自身も、お面を着けて生きるということはよく有ることで、主人公の女の子がお面を取ったときに「アーよかった」と感じました。「お面を取る」という事は簡単なことではないと感じますが、舞台上の二人はそれを行ったという事は希望であると感じました。取った時の彼女の明るい声と笑顔がとてもよかった。〔大人〕

● 本人のかっとうする気持ち、リアルでわかりやすかったです。小さい頃の記憶(心の傷)は、大人になっても残っているものです。〔大人〕

上演検討のために-舞台設営条件等

■上演時間:約45分(作品単体上演のみの時間)
■推奨年齢:小学校高学年、中学生、高校生、大人
■準備:4時間 ■片付け:2時間(準備・片づけとも、会場条件で若干変動します。)
■舞台:幅9m程度、奥行き5m以上、天井高2m30cm以上
■会場:コミュニティセンターなどのホール、学校体育館などでの上演可
■上演適正規模:子どもで260名以内。300名を超す場合は、分割して2ステージをお薦めします。