一郎くんのリスタート

~宮沢賢治『どんぐりと山猫』より

どんぐり裁判から現代の競争を考えあう

 宮沢賢治の有名な童話「どんぐりと山猫」は、100年前に書かれて今も精彩を失わない童話です。
 でも、一郎くんが現代に生きる学校に行けない少年だったら、どうなるのだろう?この不思議な童話は、いったい何を言いたいのだろう?そんな疑問から創り上げた人形演劇が「一郎くんのリスタート」です。
 ですから、本作品は「どんぐりと山猫」童話そのものの人形劇ではありません。物語は、童話が終わったところからスタートします。一郎はどんぐり裁判判決のやり直しに出かけますが、どんなやり直しをするのでしょうか?そんな物語が「一郎くんのリスタート」です。
 どうぞ、お愉しみいただければ幸いです。

《P新人賞2022受賞作品》

観劇後に『対話のひろば』や『アフタートーク』、『劇人形操作体験』も可能です

 「一郎くんのリスタート」は作品単体でも楽しめますが、以下のプログラムを組み合わせれば、さらに充実したひとときになります。

A.『対話のひろば』(上演時間+30分~60分)
 『対話のひろば』は、上演者と観劇者が対話することから鑑賞体験を深め、学びにつなげる時間です。上演者と観劇者あるいは観劇者相互が、上演後にその場で対話をします。出された発言から学びあいを深める時間になります。弊団体は、上演後に対話のひろばをあちこちで開催しています。学びが驚くほどに深まっていく事例をいくつもみてきました。
 対話のひろばのテーマは、基本的に劇の主題に関わるものから設定しています。事前に御担当者様とお打ち合わせのうえ、最も最適なテーマ設定をいたします。対話のひろばの時間設定は30分~60分の間で自由に設定できます。

B.『アフタートーク』(上演時間+約15分)
 『アフタートーク』は、作品にこめた作者の願いをトークすることから、鑑賞体験を深め学びにつなげる時間です。作品に込めた深い想いが、観劇者の鑑賞体験を深めます。

C.『劇人形操作体験』(上演時間+約10分)
 劇中に登場した人形に触れてみる時間です。時間設定は、操作体験をする人数によって変動します。

観劇後の感想(アンケートより抜粋)

● さいごの「わたしたちの出口はどこだろう」という言葉がとても心にひびきました。それと、物語をうまくアレンジしてわたしたちに自信をくれるような作品でした。それに、実際でもある大人たちからのへんけんをひっくり返してくれそうな、とても心にひびく作品でした。〔子ども〕

● 「注文の多い料理店」は知っていましたが、今回の原作となるお話は初めて知りました。今日のお話はスピンオフという続編を考えたものということでしたが、現代の考え方や悩みに、より方向性を向けて解釈が出来る内容だったかと思えました。一郎くんと一緒に…一郎くんに続いて出口へと向かえたらと思います。〔大人〕

● すごくはく力があってすごいなって思いました。一郎くんの今回のはんけつは誰も想像つかないようなはんけつで、「そういうのも一つだな」みたいなことを思いました。〔子ども〕

● 親として、生まれてきてくれた時は、「ただ生きてくれれば何も望まない」と思っていたのに、成長するにつれて子どもに期待・注文をつけるようになった。大いに反省した。そのままで、ありのままで生きてくれる事だけで幸せなんだと改めて思いました。〔大人〕

上演検討のために-舞台設営条件等

■上演時間:約40分(作品単体上演のみの時間)
■推奨年齢:小学校中・高学年、中学生、高校生、大人
■準備:3時間30分~4時間 ■片づけ:2時間(準備・片づけとも、会場条件で若干変動します。)
■舞台:幅9m以上・舞台奥行き5m以上・天井高2m80cm以上が必要です。
■会場:コミュニティセンターなどのホール、学校体育館などでの上演可
■上演適正規模:子どもで250名以内。300名を超す場合は、分割して2ステージをお薦めします。
■小学校3年生以上を中心にした作品ですが、小学校低学年の児童も楽しめます。